画廊の仕事とは

画廊の仕事を始めて25年。初々しい気持ちにある種の崇高な気分が重なり、10年くらいは無我夢中で仕事に取り組んでいたと思う。
作家との話は常に芸術論先行。お客さんには生活に美術的なもの(絵を飾る)の大切さを熱っぽく語り、やっと買ってもらったときの喜びは格別だった。俗にいう芸術至上主義の真っ只中を走ってきたようなものだったかもしれない。
しかし、バブル崩壊後の美術界は画廊が今までやってきた手法では通じなくなった。
美術品の売買に関して言えば、オークションが主流の時代になり、アートフェアも盛ん。ネット販売もしかりで作品の露出の形態が明らかに変わり、画廊で作品を見なくてもインターネット上やオークションの図録で充分と言う人が増えた。
画廊のマインドも落ち、作家も画廊任せの展覧会では食べられなくなりやむなく自主販売に近い作品展を考えるようになった。悲しいことに双方がカルチャー化しているのだろうか。
自戒を込めて、今この時期だからこそ考えられる画廊本来の仕事とは何か?を少しつづってみよう。

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(この画像は本文の内容とは関係ありません)