遠くから祭囃子が聞こえます。下校した子供たちが鳴らしているのでしょう。旧西条市内は秋祭りのモードに入っていてお客様の動きが少ないです。
10月はお客様がお祭り月で上の空になります。お祭りが終わっても片付けや打ち上げがあります。それで10月は展覧会を入れないようにしていますが今回は安倍さんの都合もあり10月25日からになりました。ミニアチュールの画と彩色備前です。
静かなので何となく作業を入り口でしてしまいました。
昨夜の池西剛さんの講座は「酒器について」応用編で酒器をたのしむ一刻になりました。西条国際ホテルの「楓の間」です。参加される方の利便と準備や後片付けの水周りで決めたのですが結果的に予想以上にいい場所でした。
池西剛さんご自身の酒器をご用意してくれました。ちょうど頃合の参加人数です。
酒は手酌です。それぞれのペースがあるので相手には注ぎません。徳利も酒盃も池西さん愛用なので心して扱います。その扱いが出来る方たちなので安心です。遠く長崎から池西さんにお会いしたいと石井さんが参加しました。
一人酒盃を4個ほど手元において呑みます。気になった盃を持っておられるお隣さんと交換したり、注ぐときに徳利の手に伝わる響き具合を確かめたり、酒盃の形で酒の味も違ったりと体感しました。片付けは申し訳ないですが池西さんでないと出来ません。
全国の「かおり風景百選」に選ばれている金木犀の大樹で有名な王至森寺です。雨の中を車から降り立つとあまやかな金木犀の香りが漂ってきました。西条祭り前のまさに「香りの風景」です。 西条には以前、「八荷会」と言う男性ばかりの数奇者の会がありました。その先輩方を目指しておられる「芥禮会(かいれいかい)」の茶席です。台風の風雨のなか大勢のお客様でした。当然、名月の趣向ですが残念ながら雨です。本席の脇床にさりげなく掛けている短冊には「台風のことなく過ぎて今日の月」とあります。台風が近づいて急遽掛けられたのでしょう。名月が観られなかったら無月とか雨月と言い、それを慈しむ日本人です。
月の雨ふるだけふると降りにけり 久保田万太郎
三方に載せて出されたのは銘「法性」とすすきの干菓子でした。